ご契約の際にかかる費用関係のお話

お部屋探しをされる際、居住用でもテナントでも気になるところが費用関係です。
「退去時にめっちゃ費用を請求された」昔からこんな話はよく聞きますが、近年では国が整備した「原状回復に関するガイドライン」の存在も一般的になってきましたので、理由もなく高額請求をされることはかなり少なくなってはきました。
・・・とはいえ、一般のお客様が不動産に詳しくないことを良いことに「良く分からない費用」を請求されたりするケースは結構多いです。後ほど実例を挙げて説明させて頂きますが、信頼の出来る不動産屋かどうかは、ちゃんと見抜けるようにしたいですね。

契約時にかかる一般的な費用

  • 敷金・・・入居期間中に何かあった場合に備えて、オーナーさん側に預けておくお金です。法律用語でいうと「入居期間中における一切の債権を担保する目的で貸主に差し入れる金員」と言います。…どうでもいいですね。笑 単身向けのお部屋ではあまり敷金を入れることは少なくなりましたが、ファミリーさん向けやテナントでは、今でも敷金や保証金(ほぼ同じ意味合いのお金です)の設定がございます。
  • 礼金・・・その名の通り、お礼金になります。意外に思われるかも知れないですが、新築物件の場合はまずは入ってもらうことが先決なので、礼金ゼロにしてあるところも多いです。オーナーさん側からすると出来れば取りたいのが正直な所なのですが、最近は敷金礼金ゼロゼロの新築がかなり増えましたので、競り負けないように中古物件も敷金礼金ゼロゼロの所が増えました。ただ、人気物件は今でも礼金をしっかりと設定していることが多いので、どのくらいの物に住みたいかのバランスも併せて検討するのが良いです。
  • 保証会社・・・上に書いた敷金がなくなってきたのはこの保証会社が出てき始めたからと言っても良いと思います。仮に家賃滞納があった際などに保証会社がオーナーさんに代わりに支払っておいてくれるので、急に「出て行ってください」とはならなくなりました。保証人の有無にかかわらず、大阪では加入するのが一般的で、費用は月々の総支払家賃の50%が初回でかかり、後は1年毎に1万円とか、月々に家賃の1%がかかるとか、契約されているプランによって変わる感じです。
  • 火災保険・・・昔は家主指定でないとダメ!とか言われていたのですが、今金融庁が「強制はしないでください」とお達しを出しているらしく、ご自身でご用意頂くことも可能な所が増えました。(トラブルが多いので個人的にはあまりおススメしませんが・・・) 大体1年契約で1万円、2年契約で1.8~2万円位が多いですが、ネットで探せばもう少し安い保険も見つかります。
  • 鍵の交換代・・・その名の通り、鍵交換に必要なお金です。大体1.5万円~3万円+TAXくらいが相場で、鍵の形状によっても異なります。新築物件の場合は、そもそも変えるもの自体がないのでかからない場合もあります。(ちなみに鍵交換代を取らない会社もレアですが時々あります)
  • クリーニング代・・・退去された時のお部屋の清掃代です。ピカピカにして退去したからと言って返してもらえる訳でもないので退去時は適当でも大丈夫です。笑 入居時払いの場合と退去時払いの場合がありますので、契約時に要確認です。ちなみに鍵交換代と同様、クリーニング代を取っていない会社も時々あります。
  • 仲介手数料・・・最近は仲介手数料無料の会社も増えて来ましたが、後述する「怪しい費用」を代わりに請求してくる会社も結構多いので、注意が必要です。一般的には0円~家賃の110%の間になります。ちなみにうちは決めて頂いた物件によって変わりますが、すべての決裁権を持つ代表者が対応しますので、他社に比べてはるかに融通は効きます。

ここからは要注意な費用

  • クリーンコート代・・・上記のクリーニング代と似ている名前なので、うっかりクリーニング代と勘違いして払ってしまう人が多い種類のお金です。「抗菌処理をするんです」とか言って請求するみたいなんですが、抗菌処理って何なんだ??ww
  • 防虫処理・・・「ゴキブリは好きですか?」こんなことを言われたら防虫処理の営業の始まりです。まぁ、本当にプロの作業員の方がやってくれるので効果はちゃんとあるのですが、原価は大体5~6,000円の作業に1.5~2万円くらい請求されるので結構利益を乗せられてしまいます。しかも、やってくれるならまだ良いのですが、お金だけ取って施工はしない会社もあるようなのでお気をつけ下さい。
  • 24時間サポート・・・これは結構微妙な費用というか、管理会社さんが加入して欲しがっているケースと、仲介業者が入らせたいパターンと両方あります。見分け方としては、物件資料(マイソクとも言われます)に元々書いてある場合には管理会社が加入させたがっているパターンです。月額1000円位のことが多く、この場合は入っておいた方が良かったりします。逆に仲介業者が後から乗っけてるパターンとしては、物件資料に書いていないケースです。原価は1年契約1万円くらいで、それを2万円+TAXとかにして販売するのです。
  • 契約事務手数料・・・要注意な費用の典型例です。管理会社で取ってくるところもありますが、これを取ってくる会社は大体利益追求型の会社なので、入居者さんの利便性よりも自分たちの利益の方が何よりも大事!といった場合も多いです。だって、契約するのに契約書発行などの事務処理が発生するのは当然なのに、そこに費用を請求するのはいかがなものかと個人的には思います。

YOUTUBEの解説動画も撮りましたので、お時間のある際にご確認頂けますと幸いです。

ざっくり計算をしてみましょう

例えば不動産屋の新人に初期費用に何がかかるかを教える時に、
「(家賃+管理費)×3+敷金・礼金=初期費用の概算」と教えます。

右の表で計算してみましょう。家賃+管理費が7万円だとします。
3か月分で21万円。そこに礼金(今回は1ヶ月分)を足すと28万円になります。

どうでしょう? 右の表で計算したのと大体一致しますよね。

実際には、入居月の家賃が日割りでかかったり、クリーニング代は後払いだったり、仲介手数料は頂かないこともありますので、もう少し安く収まったりします。


項目金額
家賃+管理費70,000円
敷金・礼金敷金0・礼金70,000円
鍵交換代27,500円
クリーニング代33,000円
保証会社(初回50%)35,000円
火災保険(2年)15,000円
仲介手数料(仮に55%で計算)38,500円
合計289,000円

新築物件が意外に安い!

上の見積の中から、礼金と鍵の交換代、仲介手数料を引いて、更にクリーニング代が後払いになったら初期費用はいくらになるでしょう?
計算するとなんと 120,000円 まで初期費用が下がります!! こういったことが普通に起こってくるのが最近の新築物件です。なぜだか分かりますか?
答えは新築物件の場合は入居者さんには早く入ってもらって、入居者さんがいるお部屋(家賃収入があるお部屋)を投資家に販売したいからです。
入居者が支払ってくれる家賃がすでに入ってくる状態なので、投資家さんは銀行ローンを組んでも手出しはあまりせずに、家賃収入をローンの返済に回せるので全く痛くはありません。そして住宅ローン控除や経費計上なんかを上手く使えば更に税金を取り戻すことが出来るというのが、このワンルームマンション投資の世界です。その恩恵を受けられるのが新築物件の一番初めの入居者の場合という訳です。

まとめ

いかがだったでしょうか? 費用面のお話はもっと細かくしようと思えばかなり細かくなりますので、このくらいにしておきますが、お金の話は一番大事な所であるのと、他の不動産屋もあまり詳しく話してくれなかったりする所なので、しっかりと費用面の話をしてくれる会社を選ぶ方が良いです。弊所は必ず費用面の話は先にさせて頂きますので、安心してご相談頂ければと思います。

また今後もブログ記事などで費用面の話や、地域の話などを書いて行きますので、大阪市内でお部屋探しをされる方の参考になれば幸いです。ではまた!!

投稿者プロフィール

出野 勝巳
出野 勝巳
1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。