宅建業免許│必要書類の「登記されていないことの証明書」「身分証明書」とは?

宅建業免許は、宅地建物取引業法に基づき、不動産屋を営むために必要な免許です。宅建業免許を取得するには、都道府県知事(2つ以上の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣)に申請し、審査を受けて免許を取得する必要があります。

宅建業免許申請には色々な書類を用意する必要があるのですが、このうち、本記事では「登記されていないことの証明書」「本籍地の身分証明書」について解説します。

登記されていないことの証明書とは│通称:ないこと証明

「登記されていないことの証明書」とは、法務局が発行する書類で、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨を証明する登記事項証明書になります。

宅建業免許の欠格要件にある「精神上の障害により、事理弁識能力を欠く者(若しくは著しく不十分な者)ではないことを証明するために提出を求められる書類です。宅建業免許の欠格要件には、以下のようなものがあります。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 禁治産者、準禁治産者、成年被後見人、被保佐人
  • 暴力団員等
  • 宅建業法第3条第1項に規定する欠格要件に該当する者

ちなみに数年前に一部改正があり、仮に精神上の障害を有していても申請出来る方法もありますので後述します。

登記されていないことの証明書は、以下の方法で取得できます。

  • 法務局の窓口で申請する
  • 法務局のホームページから郵送で申請する

窓口での申請の場合は出張所ではなく、必ず「本局」で請求をする必要があります。また、郵送請求の場合には「東京法務局」が窓口になりますので、お間違いのございませんようお願い致します。

身分証明書とは?│免許証や保険証のことではなく、本籍地の役所で取得する書類です

身分証明書とは、

1、後見登記、禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていない

2、破産宣告または破産手続開始決定の通知を受けていない

という旨を証明するための証明書となっております。

本籍地の市区町村で請求できます。

参考:代表行政書士:出野の出身地、東大阪市のHPの記載が分かりやすかったのでリンクを貼っておきます。

令和元年に一部改正がありました

(1)  宅地建物取引業免許申請書添付書類の改正

 成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書並びに市町村の長の証明書

 【現行】上記証明書の提出が必要。

 【改正後】令和元年9月17日以降の受付から、次の二点のいずれかの提出が必要です。

 ・成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書並びに市町村の長の証明書

 ・契約の締結及びその履行にあたり必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができる能力を有する旨を記載した医師の診断書←ここが改正点です

どちらの書類も職務上請求の非対称│代理人取得には委任状が必要です

我々、行政書士はお受けした仕事を遂行するために必要がある時は、職務上請求といって依頼者さんの住民票や戸籍謄本を取得することが可能なのですが、「登記されていないことの証明書」と「本籍地の身分証明書」については職務上請求書が使えず、代理人取得の場合には委任状が必要になります。

特に明文規定や告示などを見つけきれなかったのですが、恐らくその方の重大な身分事項に関わる記載がなされているからではないかと、勝手に思っています。

料金関係│宅建業免許(都道府県知事免許)

最後に宅建業免許の申請を弊所に依頼頂いた場合の料金表を記載しておきます。会社の設立から必要になる場合など割引もございますので、詳細はお問合せ下さいませ。

項目金額
知事免許(新規・更新)
33,000円
保証協会加入(分担金含む)約140万円
行政書士報酬(大阪府知事免許の場合)80,000円
行政書士報酬(保証協会加入)20,000円
※公的証明等の必要書類の取得もご依頼の際は実費でご請求致します。

なお、2つ以上の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣免許が必要になり、料金も異なりますので、あらかじめご了承下さい。

全体の手続きのフロー

①まずはお問合せ下さい。
お電話やメール、LINEでもお問合せを承っております。会社設立や資金調達についてもご相談可能ですので、先ずはお問合せください。
また、ご相談はオンラインでも対応可能ですので、ご希望の方法をご指定ください。
②ご相談
対面でのご相談でしたら、その後のご依頼に至った場合の委任状のやり取りなどの手間が省けますので身分証と印鑑はご持参頂けますようお願い致します。もちろん、一度持ち帰って頂いて、後日のお返事でも結構です。
③ご依頼・書類作成
ご相談時に伺ったヒアリング内容を元に必要書類の取得や申請書の作成を致します。スムーズに行けば1週間以内で書類はほぼ仕上がりますので、事務所の設営をしておいて頂けますようお願い致します。
④事務所の撮影
設置して頂いた事務所の撮影をさせて頂きます。この時撮影した写真を元に、提出する書類を完成させて書類提出をさせて頂くことになります。
なお、兼業の方などの場合は事務所を高さ170cm以上のパーテーションなどで仕切られ、原則として他の事務所部分を通らずに、当該事務所に直接入れるよう配慮が必要です。
⑤免許申請
南港にある、大阪府庁咲洲庁舎へ免許申請に行きます。この時、万が一不備などがあった場合も、簡単な内容であればその場で補正が可能です。
まれに、追加の書類を出して下さいと言われる場合もございますので、その際は、後日改めて提出することになります。
また、大阪府の審査期間があるため、この審査期間中に保証協会も申込しておいて、大阪府の審査が完了したら、すぐに次の動きを取れるようにしておくのが一般的です。
⑥審査
大阪府庁による審査が入ります。ここで欠格要件に該当していないか?や専任の取引士の専業性などを調査してもらうことになります。
審査の標準処理期間は5週間ですが、大型連休を挟む場合や、書類の補正があった場合はもう少しかかります。
(ちなみに私の場合も大体5週間弱位で審査が完了しました。その間、何の連絡も入りませんでした)
⑦保証協会による事務所調査
大阪府への免許申請時に、保証協会の申込も済ませていた場合、大阪府から審査完了のハガキが届く前に、保証協会の方が事務所調査に来られます。(ちなみに政治連盟の説明で1回、事務所調査で1回の計2回、保証協会の方が来られました)
この時、代表者と専任の取引士が別の方の場合には、専任の取引士も同席を求められますのでスケジュール調整をお願いします。
この日程についてですが、基本的に保証協会の方が1日で色々な事務所を回る為、日付や時間の指定が基本的に出来ませんのでご注意願います。
(日程が合わない場合、開業が遅くなります)

事務所調査後に入会面談で所属支部に訪問することになります。ごくごく稀に、入会拒否をされる方もおられるようですが、本当に稀なのでほぼ大丈夫だと思っておいて良いです。
⑧免許ハガキが届きます
申請内容に問題がなければ、申請から約5週間後に免許ハガキが届きます。この免許ハガキが届いたら、保証協会にお電話して頂いて入会金&保証金の支払いの日程を打ち合わせして、後日、保証協会に振り込むことになります。
この振込ですが、免許の日から3か月以内に振込がなされない場合には「営業保証金未供託」といって、免許取消の行政処分を受けますので、忘れずにお振込み頂けますようお願い致します。
⑨免許受取&営業開始
保証協会に振込が終わったら、入金確認の依頼をしてください。入金確認が取れたら「〇月〇日以降に大阪府庁に免許を取りに行って下さい」と案内されますので、大阪府庁へ受け取りに行きます。この時、府庁にある宅建協会に先に立ち寄ってから免許の受け取りに行くことになります。
受取が完了して開業届を出したら、さぁ、営業開始です! ここまでが手続きの流れになります。

弊所にご依頼のメリット

以上が、大阪府で宅建業免許を受ける場合の手続きになります。
弊所にご依頼頂くメリットとしては、私自身が宅建業免許を取得し、行政書士と兼業になりますので、同じ不動産屋だからこそ理解出来る部分や経験則などもシェアさせて頂けます。
また、会社設立や資金調達なども、一人ですべて対応するのは何から手を付けて良いかも分からず、結局「やってみたいけど、やり方が分からない」から断念する方も多いと思うのです。そんな時こそ、開業前から開業後においても法律面からサポートさせて頂ける当職にご依頼頂き、価値提供させて頂きたいと考えております。

大阪府内の業者さんを中心に、近隣県でも可能な限り対応させて頂きますので、是非ご相談下さいませ。

対応エリア

大阪市中央区、大阪市浪速区、大阪市天王寺区、大阪市西淀川区、大阪市西区、大阪市福島区、大阪市此花区、大阪市東淀川区、大阪市淀川区、大阪市東成区、大阪市北区、大阪市都島区、大阪市生野区、大阪市福島区、大阪市旭区、大阪市城東区、大阪市鶴見区、大阪市阿倍野区、大阪市住之江区、大阪市住吉区、大阪市東住吉区、大阪市平野区、大阪市西成区、堺市堺区、堺市北区、堺市西区、堺市中区、堺市東区、堺市美原区、堺市南区、能勢町、豊能町、島本町、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、枚方市、豊中市、吹田市、摂津市、寝屋川市、交野市、守口市、門真市、四条畷市、大東市、東大阪市、八尾市、松原市、藤井寺市、柏原市、羽曳野市、高石市、泉大津市、大阪狭山市、富田林市、太子町、河南町、千早赤坂村、河内長野市、和泉市、岸和田市、貝塚市、熊取町、泉佐野市、田尻町、泉南市、阪南市、岬町

他府県などのその他のエリアはご相談下さい。近隣県であれば出来る限り対応させて頂きます。

投稿者プロフィール

出野 勝巳
出野 勝巳
1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。