株式会社を設立する際に準備しておくものとは?

会社を設立しようと決めた際、何を準備しておかなければならないでしょうか? お金や事業計画はもちろんですが、公的書類や社判などはどうすれば良いか? 今回は会社を設立する場合にどのような準備が必要か、先ず揃えないと行けないものは何なのか、解説をして行きます。会社を設立する際に迷われていたり、心配されている方は是非お読みください。

参考:資金調達も必要な方はこちらもご確認下さい。(創業融資についての記事)

会社を設立する時は最初に【定款認証】が必要です

会社を設立する際に最初に必要になるのが、会社のルールブックになる「定款」という書類を作る必要があります。これはただ作れば良いという訳ではなく、法律に基づいて作成した上で、「公証役場」という公的な機関で「ちゃんと法律に沿った文書ですね」と認めてもらう必要があります。この【定款】という書類を法律に基づいて正しい形で、そしてその後に営業に必要な許認可などを取る際にも「この文言が入っていないと許可は出せません」という状態にならないように、行政書士にご依頼を頂く方が多いという訳です。

会社設立に必要な【定款認証】に必要な書類とは?

会社を設立する際に必要な【定款認証】を行う際に必要な書類は以下の書類が必要です。(行政書士に依頼頂くことを前提にしています)

  1. 印鑑証明書(3か月以内発行の原本)
  2. 身分証明書両面コピー(免許証やマイナンバーカードなどです)
  3. 定款認証委任状(行政書士が作成したものにハンコを押して頂きます)
  4. 表明保証書(行政書士が作成したものにハンコを押して頂きます)

ほとんどの会社はスタート時点では一人社長だと思いますので、差し当たって必要なものはこの辺りです。「あれ? 実際に作る会社のハンコ(法人印)はいらないの?」と思われた方、法人印は司法書士さんに登記の依頼をする際に必要になるので、定款認証が終わってから作っても大丈夫です。

※他にも「実質的支配者となるべき者の申告書」という書類も必要なのですが、これは士業に設立を依頼したらその方が作ってくれます。ご自身で定款を作られる場合にはこれも忘れずに作って下さい。

そもそも【定款】ってなに?

会社設立の際に必要な【定款】とは何か? ちゃんと書くと別の記事が一本出来上がりますので、本当に簡単に説明すると、設立する会社の名前や、その会社の事業の目的、出資される資本金や誰が役員をするのかなど、その会社の骨格になる土台の部分になります。ちなみに絶対に書いておかなければならない項目なんかも法律で決まっています。

①商号

②目的

③本店の所在地

④設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

⑤発起人の氏名又は名称及び住所

⑥発行可能株式総数

この6項目については、「絶対的記載事項」と言って、これが記載されていない定款は定款として認めてもらえない為、もしご自身で定款を書こうと思われている方は注意が必要です。また、その他にも会社を乗っ取られたいしないように株式に「譲渡制限」というルールを課したり、取締役の「任期」を決めたりと、それぞれの会社に合わせてカスタマイズしていく必要があります。この点が、会社設立の際に士業に定款作成を依頼する方が多い理由になります。

参考:会社法という法律にこの辺りのルールが記載されています。すごくボリュームがあって難しい法律なので参考程度にご確認下さい。

会社設立の際に必要な【定款認証】にかかる費用とは

会社設立の際に必要な【定款認証】にかかる費用は大体以下の通りです。(弊所にご依頼の場合の費用です)

項目金額説明
定款認証手数料約50,000円定款認証にかかる手数料で、公証役場の先生にお支払いするお金です。金額は役員の人数や資本金によって変動する場合があります。
定款の謄本代約2,000円上記の定款が終わったら、定款の謄本を何通か取っておきます。(大体2~3通取られるのが一般的で、銀行口座開設などに使用します)
行政書士報酬80,000円役員一人の場合の報酬額です。役員が増えたり、会社の形態が株式以外の場合はまた変わります。

他に考えておく必要のある費用というと、定款認証の後には登記申請が必要になりますので、資本金として設定したお金、司法書士報酬、登録免許税、法人印の作成代などが必要になります。

尚、上記の料金表は弊所にご依頼の場合の費用です。定款認証を電子定款で行いますので、通常の紙の定款にかかる印紙代の40,000円が不要になります。

ご依頼から定款認証完了までの期間は?

会社設立に必要な【定款認証】ですが、どのくらいの時間がかかるのでしょうか? 委任状や印鑑証明などの必要な書類をお預かりしたら、こちらで定款案を作って公証役場の担当者と内容に問題がないか打ち合わせをします。そして内容に問題がなければ、電子定款を作成して認証してもらう作業をします。公証役場の混み具合にもよるのですが、大体は1週間~10日も見て頂ければ対応可能です。その後に司法書士さんに登記申請を依頼したとして、思い立ってから登記完了の書類がお手元に届くまで、早ければ3週間くらいとお考え頂ければと思います。

まとめ

今回は会社を設立する際に必要な【定款認証】の際にご用意頂くものや概要について解説させて頂きました。いざ会社を作りたいと思っても、実際は何から始めれば良いのか? どういった手続きが必要なのかが分からずに始められない方は多いです。そんな方はまずは行政書士にご依頼を頂くことで、最初の一歩を踏み出せると思います。そんな時こそ、弊所に相談して頂けますと幸いです。宜しくお願い致します。

投稿者プロフィール

出野 勝巳
出野 勝巳
1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。