賃貸物件退去時のトラブルを防ぐ!原状回復ガイドラインとは?

賃貸物件を退去する際、「原状回復」という言葉に頭を悩ませたことがある人は多いのではないでしょうか?  原状回復とは、退去時に部屋を借りた当初の状態に戻すことを指しますが、具体的にどの範囲まで修繕する必要があるのか、大家さんとの間でトラブルになるケースも少なくありません。

そこで今回は、国土交通省が定めた「原状回復に関するガイドライン」について解説します。このガイドラインは、賃貸住宅における原状回復のルールを明確にすることで、退去時のトラブルを未然に防ぐためのものです。

参考:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)

1. 原状回復ガイドラインとは?


賃貸物件退去時のトラブルを防ぐ!原状回復ガイドラインとは?

賃貸物件を退去する際、「原状回復」という言葉に頭を悩ませたことがある人は多いのではないでしょうか? 原状回復とは、退去時に部屋を借りた当初の状態に戻すことを指しますが、具体的にどの範囲まで修繕する必要があるのか、大家さんとの間でトラブルになるケースも少なくありません。

そこで今回は、国土交通省が定めた「原状回復に関するガイドライン」について解説します。このガイドラインは、賃貸住宅における原状回復のルールを明確にすることで、退去時のトラブルを未然に防ぐためのものです。

記事構成

  1. 原状回復ガイドラインとは?
  2. 原状回復と通常の使用による損耗の違い
  3. 具体的な原状回復の範囲
  4. ガイドラインに基づいた退去時の流れ
  5. トラブルを防ぐためのポイント
  6. まとめ

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  • 通常の使用による損耗
  • 修繕費

1. 原状回復ガイドラインとは?

原状回復ガイドラインは、平成10年に国土交通省が定めたものです。このガイドラインでは、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。

つまり、通常の使用による損耗は借主の負担ではなく、大家さんが負担する必要があるということです。注意点としては、ガイドラインは法律とは違い、強行規定ではない為、特約で別段の定めを妨げない性格のものです。

例えば鍵の交換代やハウスクリーニング代などが借主負担になるケースが多いですが、これは特約に①明確に記載しており、②具体的な金額の記載もしていて、③事前に説明を受けている。ことを条件に特約として借主負担にすることが出来ます。

2. 原状回復と通常の使用による損耗の違い

通常の使用による損耗とは、日常生活の中で自然に発生する損耗のことを指します。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • フローリングの軽い傷
  • 壁紙の自然な日焼け
  • 畳の表替え

一方、原状回復義務を負う損耗には、以下のようなものが挙げられます。

  • 故意または過失によって生じた傷や汚れ
  • ペットによる傷や汚れ
  • 通常の使用を超えるような使用による傷や汚れ

分かりやすく言うと、普通に使っていて自然につく傷は貸主の負担。普通に使っていてもつかない傷は借主の負担という考え方で大体合っています。

3. 具体的な原状回復の範囲

原状回復の具体的な範囲は、ガイドラインによって以下のように示されています。

借主負担

  • 故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損
  • 故意・過失により生じた設備の故障
  • 入居時にあった設備の不足
  • 特約に基づく原状回復

大家さん負担

  • 通常の使用による損耗・毀損
  • 建物自体の経年劣化
  • 法令に基づく修繕

4. ガイドラインに基づいた退去時の流れ

  1. 退去日の数ヶ月前に大家さんに退去の意思を伝える。(退去通知の時期は契約毎に異なるため、契約書を参照下さい)
  2. 退去前に部屋の清掃を行う。(これはしてもしなくても大丈夫ですが、退去立会をする立場からすると、綺麗なお部屋は印象がとっても良いです)
  3. 退去立会いを行い、部屋の状態を確認する。(壁紙の傷やフローリングの痛み、電球が切れていないかなどを確認します)
  4. 必要に応じて修繕を行い、原状回復費用を支払う。(立会いの時に負担箇所と金額を提示してくれることが多いです。内容によっては火災保険が使える場合があります)
  5. 敷金精算を行う。(敷金を預託していない場合には、後日お振込みなどで支払うことになります)

5. トラブルを防ぐためのポイント

ガイドラインが制定されているとしても、昔ながらの高額請求をしてくる業者もまだまだあります。その場合には、以下の点を参照に退去立会に臨んで下さい。

  • 退去前にガイドラインの内容をよく確認しておく。
  • 退去前に部屋の清掃をしっかりと行う
  • 退去立会いには必ず立ち会う
  • 原状回復費用について疑問があれば、大家さんに確認する

退去通知の事前連絡をする際に「退去時の原状回復費用はガイドライン通りですよね?」と念押ししておくと、高額請求されにくくなるのでおススメです。

6. まとめ

原状回復ガイドラインは、賃貸住宅における原状回復のルールを明確にすることで、退去時のトラブルを未然に防ぐためのものです。退去を控えている方は、ぜひガイドラインの内容をよく確認し、トラブルなく退去を進めましょう。

投稿者プロフィール

出野 勝巳
出野 勝巳
1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。