永住許可申請の際の身元保証書とは?

外国人の方が永住を希望する際の手続きで「永住許可申請」があります。(下記の画像参照) その際に、添付書類として「身元保証書」という書類が必要になるのですが、これはどういった書類なのでしょうか? 連帯保証人のように思い責任を背負うことにならないだろうかと心配される方も多いので、解説していきます。

永住許可申請とは?

永住許可申請の概要を知るために、根拠法令の確認からしていきます。

永住許可(入管法第22条)

在留資格を変更しようとする外国人で永住者の在留資格への変更を希望するものは、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し永住許可を申請しなければならない。

 前項の申請があつた場合には、法務大臣は、その者が次の各号に適合し、かつ、その者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合においては、次の各号に適合することを要しない。

 素行が善良であること。

 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。

 法務大臣は、前項の規定による許可をすることとしたときは、出入国在留管理庁長官に、当該外国人に対し、その旨を通知させるものとする。この場合において、その通知は、出入国在留管理庁長官が、入国審査官に、当該許可に係る外国人に対し在留カードを交付させることにより行うものとする。

 第二項の規定による法務大臣の許可は、前項の規定による在留カードの交付があつた時に、その効力を生ずる。

上記の条文だけでなく、永住許可のガイドライン(参考リンクあり)にも詳しい記載がありますので、一度ご確認下さい。

身元保証人とは?

永住許可申請の際に提出が求められる書類は、その方の属性により異なりますが、大体は「身元保証書」という書類が必要になってきます。字面だけみると「連帯保証人」と混同されそうですが、あくまでも道義的責任を負うに留まり、賠償責任などは負いませんのでそこはご安心下さい。では道義的責任とは何か? これは「人としての正しい道を守るべき責任」という意味です。困っているときに助けてあげたり、アドバイスを必要とするときに手助けをしたりといった事が挙げられます。

身元保証書のサンプル

身元保証書は通常、永住許可申請者が信頼できる社会的なネットワークやサポートシステムを持っていることを示します。また、申請者が予期せぬ状況に直面した際に、保証者がサポートできることを確認する手段となります。

身元保証人には誰がなるの?

この身元保証人ですが、申請者が結婚されている場合には、その日本人配偶者(夫・又は妻)がなるのが原則になり、結婚されていない場合には職場の同僚や上司などに頼むことになるのが一般的です。ですので、外国人の方が永住許可申請をしようとしている場合には、なるべく協力して差し上げて頂けますと幸いです。(連帯保証を負ったり、賠償責任を負うことはありませんので)
尚、身元保証人の身分事項を明らかにする書類(運転免許証写し等)も必要になりますので、その際はご対応下さい。

まとめ

今回は永住許可申請の際の提出書類「身元保証書」について解説させて頂きました。連帯保証人と混同してしまうと身元保証人になって頂ける方を探すのがとても難しくなってしまうため、混同することのないよう願っています。

投稿者プロフィール

出野 勝巳
出野 勝巳
1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。