遺言書に抵抗があるならエンディングノートはいかがですか?
相続で争いになることを避けるには遺言書の作成が有効です。ですが、「縁起でもない」「まだ早い」など、抵抗のある方も多いのではないでしょうか? それであればエンディングノートの作成を検討されるのも良いと思います。今回は遺言書とエンディングノートの違いを始め、一般的には何を書けば良いか等を解説していきます。終活を検討しているが何をして良いのか分からない・・・そういった方は是非お読みください。
遺言書とエンディングノートの違い
最初に遺言書とエンディングノートの違いを解説します。
遺言書の特徴
遺言書はその形式が法律に定められていて、形式から外れてしまった場合は無効になる場合があります。そのため、士業を始めとした専門家のサポートの元で書くのが一般的です。当然、費用のかかる話になりますので、心理的ハードルが高く、身構えてしまう点が取っつきにくいと感じる方が多い理由だと思います。
しかし、法律の形式を満たしたものを残しておけば、相続にも使えて法的な効力も発生しますので、亡くなられた後の手続きは格段に楽になり、遺族の心配事や困ることは少なくなり、ちゃんと専門家のアドバイスを受けながら作成した遺言書は、争いごとも起こりにくいよう配慮されたものが多く、紛争になりにくいメリットが最大の魅力です。
エンディングノートの特徴
近年、手軽な終活の方法として注目されているエンディングノートは、実は法的な効力がありません。ですので、紛争防止の観点から言うとそれほど有効とも言えないのですが、それでもご自身の交友関係や、例えばどこの銀行にいくつ口座を持っているかなどを書いておくだけでも、万が一の時に、ご遺族には遺産整理の助けや死後事務に役立つので、何もないよりはよっぽど助かるものです。
エンディングノートには何を書くと良いか?
エンディングノートは、自分の意思や希望を家族や関係者に伝えるためのノートです。法的効力はありませんが、亡くなった後の様々な手続きをスムーズに進めるために役立ちます。
エンディングノートに書くべき内容は、大きく分けて以下の5つです。
1. 基本情報
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- 連絡先
- 家族構成
- 血液型
- 趣味や特技
- よく行くお店
- 交友関係
2. 財産情報
- 銀行口座
- 不動産
- 生命保険
- 年金
- 借金
- その他の資産
3. 医療・介護情報
- 病歴
- 服薬状況
- 介護サービス利用状況
- アレルギー
- 医療機関
- 主治医
- 介護施設
4. 葬儀・埋葬の希望
- 葬儀形式(仏式、神式、無宗教など)
- 埋葬方法(火葬、土葬など)
- 戒名
- 葬儀社の連絡先
- その他の希望
5. その他
- 過去の思い出
- 大切にしているもの
- ペットのこと
- 相続に関する希望
- 家族へのメッセージ
- その他、伝えたいこと
代表的なものを書きましたが、実は「何を書いても構わない」のが答えです。思いついた順に書いても良いですし、ご家族への感謝や伝えたい想いなんかが思い浮かべばそれを書いて行くと良いと思います。書いているうちに「ちゃんとした物を残しておきたい」となった段階で、遺言書を書くことを検討されるのも良いと思います。
エンディングノート作成サポート
それでも書き始めるのに抵抗がある方は、1時間 5,000円でコンサルティングをさせていただきます。初回のコンサルティングで「書いてみよう」という気になって、ある程度書けた段階で内容のチェックとしてもう一度ご利用いただくと、ある程度ちゃんとしたものが出来上がると思いますので、こちらも検討してみてください。そのほか、財産目録の作成を依頼したい。推定相続人調査の為の家系図の作成など、単発の依頼も承っております。気軽にご相談下さいませ。
遺族の気持ち
私の個人的な経験を書きます。私の父はお酒が大好きな方だったので、その影響からか割と早い段階で認知能力に陰りが見えてきました。そして交通事故に合って、病院に入院、その後高齢者施設に移った段階でコロナ過を迎え、ある日突然亡くなってしまいました。
もう3年前の話です。葬儀を終えて今でも、父の交友関係に伝えた方が良かったのか?(交友関係を知らない) どんな葬儀にしたかったのか? 亡くなる前に会いたかった人とかいなかったのか? 埋葬方法の希望は?・・・そんな思いばかりが心の中に渦巻いています。遺言書でなくても、エンディングノートなんかを書いてもらえていたら、そういった思いもせずに済んだのかなぁ、なんて思ってしまいます。
ご家族にそういった思いをさせない為にも、エンディングノートだけでも検討してみてもらえると、個人的にはありがたく思います。
まとめ
いきなり遺言書を書くとなると、財産を誰にどう分けるかなども考える必要も出てくるので、すぐには書けないかも知れません。そういった場合には、空いた時間にエンディングノートだけでも検討してもらえればと思います。何を書くかは自由です。思いついたことをかしこまった文章でなくても良いので、書き始めてみましょう!
投稿者プロフィール
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1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。
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