【重要】会社設立の際の持ち株割合について(役員が複数いる場合)
例えば友達と2人で会社設立をする際に、株式の割合を50:50で設定するとします。一見、公平で良いように思うのですが、これって後々大きな問題になる場合があることはご存じでしょうか? 今回はその理由と、ではどうすれば良いのかを行政書士が解説します!
目次
株式会社の意思決定は株主の議決権による決定が必要
一人社長の小規模な会社で、株主も社長一人の場合は意思決定が迅速で、全て社長の決定で行われます。世の中の多くの会社はこの形態なのですが、複数の株主がいる場合にはその議決権に応じて、会社の運営が行われます。そのため、50:50で持分割合を設定してしまうと「多数決」が取れない為、意見や方向性が異なった場合に何も決められなくなってしまうという可能性が出てきてしまう為、注意が必要です。
出資比率に応じた権利はどのようなものがある?
細かい所まで言及するとかなり幅広い内容になるので、今回は出資比率100%、66.7%、50%超、33.3%超の場合についてご紹介していきます。
出資比率100%
株主が社長さんお一人の場合の会社形態です。この場合、意思決定はすべてご自身で行うことが出来る為、小回りの利く会社経営を行うことが出来ます。デメリットとしてはコーポレートガバナンスが効きにくく、判断を誤った場合にそのまま突き進んでしまう可能性があります。 ※ただ、世の中のほとんどの会社はこの形態です。
出資比率66.7%以上(2/3以上)
例えば100株発行していて67株持っている場合などです。株式会社では株主総会で多くの事が決められるのですが、その中の「特別決議」という出席者の3分の2以上の賛成多数で可決される内容を単独で決議することが出来ます。経営を常にコントロールできる状態にしたい場合には、この割合を保有することが必要と言えます。
特別決議事項の例
- 定款変更
- 事業譲渡の承認
- 譲渡制限株式の買取
- 株式の併合
- 会社の解散
出資比率50%超
株式の過半数を保有している状態です。51%以上を保有している場合には過半数を自分が抑えている状態の為、株主総会で「普通決議」が単独で行える割合になります。それに対し、先ほど例に出した持株比率 50:50の状態は「デッドロック」と呼ばれる状態で、何も決めることが出来ない、組織としては不味い状態になります。
普通決議事項の例
- 役員および会計監査人の選任・解任
- 株主総会の議長の選任
- 剰余金の処分
- 剰余金の配当
- 計算書類等の承認
出資比率33.3%超(1/3超)
ビジネスものの小説なんかで時々出てくる3分の1以上の持株割合を保有している状態です。この持分を保有している状態を「経営上の拒否権」と呼ばれていて、この持分割合を保有している株主の承諾がなければ「特別決議」が行えないことになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 小さな事業規模で会社を設立する際も、株主が複数になる場合にはこの辺りも気にしておいた方が良いですが、ほとんどの方は「会社法」の規定を知らずに会社を作るため、自分たちで相談して定款作成をして登記をしても、後々問題が出てくる場合も多いです。ですので、設立の際にはなるべく会社設立の知識を持っているプロの意見も聞きながら進めて行くことがおススメです。
弊所では、法人設立は何度も対応しておりますので、この辺りの手続きにもスムーズで、登記の際も提携の司法書士と協力して迅速な対応が可能です。会社の設立を検討されていえる方は、是非ご相談下さいませ。
投稿者プロフィール
-
1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。
最新の投稿
- 遺言・相続(行政書士)2024年9月23日不動産の管理行為に見る、生前対策の重要性
- お役立ち情報(不動産)2024年9月19日賃貸募集・ソシエ北大阪1番館 321号室
- お役立ち情報(不動産)2024年9月6日賃貸募集・朝日プラザヴェルデュール大正三軒家 307号室
- 遺言・相続(行政書士)2024年7月28日【コラム】遺留分について思う事│トラブル事例と共に解説