兵庫県で宅建業許可申請のフロー│大阪府との違いについて

先日、初めて兵庫県で宅建業許可の申請に行ってきたのですが、大阪府と比べてかなり申請のフローや申請した後の流れが違っていたので、備忘録も兼ねてブログにまとめました。兵庫県で宅建業免許をご自身で申請に行くことを検討されている方や、新人行政書士向けの記事です。

※大阪府知事免許取得の場合はこちらのページにフローを載せています。

宅建業許可に必要な手続き│保証協会加入を前提に書きます

都道府県知事免許で宅建業許可を検討されている方は、そもそもどういった手続きが必要なのか?もご存じないかも知れませんので、必要な手続きを先に箇条書きでかきます。

  • 免許要件のチェック
  • 代表取締役、役員(監査役含む)、専任の取引士の略歴書を準備
  • 申請書に添付する必要書類の取得
  • 事務所の写真撮影
  • 申請書の準備
  • 都道府県の窓口に免許申請
  • 保証協会に加入申請
  • 保証協会の事務所調査
  • 保証協会へ必要経費の払込
  • 保証協会の面談
  • 免許証の受取り

このうち、赤字で記載した所が兵庫県と大阪府でかなり手順が違うため、兵庫県知事免許が初めてだった私は少し戸惑いました。

兵庫県知事と大阪府知事の具体的な違いは?

それでは、全項目で赤字で書いた項目について、それぞれの違いは以下になります。

都道府県の窓口に免許申請

大阪府知事免許の場合・・・大阪南港にある咲洲庁舎2階にある宅建業免許申請受付窓口へ書類を持って行くことになります。

兵庫県知事免許の場合・・・事務所を管轄する地域の保証協会の支部へ書類を持って行き、保証協会から兵庫県へ申請することになります。

申請の段階から大阪府と兵庫県では手続きが違うので、注意が必要です。私は今回、尼崎支部へ申請に行きましたが、手引きを注意深く読んでおいて読んで分からないことがあれば、支部へ問い合わせをすると詳しく説明してもらえるので、手引きをしっかりと確認していれば特に問題にはならないです。

↓兵庫県宅地建物取引業者免許申請の手引き

また、都道府県知事免許の場合は申請手数料が¥33,000 かかるのですが、大阪府の場合は咲洲庁舎の1回に会計の窓口があり、そちらでお支払いいただくことになります。(ちなみにクレジットカードもVISAとMasterカードは対応しています。

それに対し、兵庫県の場合は銀行や警察署など、兵庫県内の「兵庫県収入証紙売り場」で先に買ってから、申請書に貼って提出することになります。(尼崎支部の場合は隣に三井住友銀行が並びにあるので、私はそこで買いました)

保証協会に加入申請

保証協会に加入申請の際も若干の違いがあります。今回は加入者の多いハトのマークの団体を例に解説します。

大阪府の宅建協会・・・咲洲庁舎に書類を出した後、隣にハトのマーク(ウサギもあります)の団体の事務所がありますので、そのまま持って行って手続きをします。

兵庫県の宅建協会・・・前述したとおり、免許申請自体は宅建協会が行いますので、免許の申請書も協会の入会申請書も協会に提出します。

また、その後の入会金の払込のタイミングや、書類を受付した後の流れなども大幅に違うので、次の項目で解説します。

※参考:兵庫県の地域別の保証協会の窓口一覧はこちらのリンクをご参照下さい。

保証協会へ必要経費の払込

必要経費は約140万円~150万円くらいになります。費用は大きく変わりませんが、支払いのタイミングが異なります。

大阪府の場合・・・事務所調査や面談などが終わり、免許が下りる直前頃に費用の明細が送られてきます。免許が下りた通知のハガキが届いてから振り込むことになります。

兵庫県の場合・・・入会申請の書類を持って行った際、その場で請求書を貰います。兵庫県の場合は先に振込を行い、協会側で振込が確認できた後に協会が免許申請をすることになりますので、早めのお振込みが必要にあります。言い換えれば振り込まなければ申請に進めないので、話がここでストップしてしまいます。

※補足情報・・・ちなみに任意加入の「政治連盟」という団体への加入を勧められます。この政治連盟の費用も大阪府は入会金5万円と年会費が6千円。兵庫県は入会時のみ10万円で年会費なしと、政治連盟の費用も違いがあります。また、大阪府の場合は政治連盟への加入で入会金が安くなったりなどのキャンペーンを行っている場合もありますので、事前にご確認ください。

保証協会の面談~免許証の受取り

申請書を提出した後の手続きも、大阪府と兵庫県で違います。それぞれのフローを記載しますので合わせてご確認ください。

大阪府の場合
入会申請書を宅建協会の窓口に持って行ったあとは、早い時はその場で事務所調査の日程を教えてもらえます。
兵庫県の場合
入会申請書を宅建協会窓口に持って行ったあとは、入会金の請求書と今後のフローの説明があります。
事務所調査
宅建協会の所属支部の役員の方が事務所調査に実際に事務所に来ます。代表者と専任の取引士同席で対応いただくことになります。実は事務所調査と前後して、政治連盟の活動案内と加入促進の担当の方が、調査とは別に事務所に来られます。(事前連絡あり)
入会金の振込
指定日までに入会金の振込が必要になります。この振込が完了しないと、兵庫県知事に申請をしてもらえませんので、必ず期日までにお振込みをお願いいたします。
大阪府は審査後に振込・兵庫県は書類提出後すぐに振込とお考えください。

入会審査
事務所調査後、宅建協会の所属支部にて入会審査会による面談があります。代表者と専任の取引士が揃って出席が必要です。



事務所調査
大阪の場合と同様、兵庫県も事務所調査があります。ちなみに事務所調査とは別に、兵庫県の場合にはそれぞれの地区の地区長さんとの面談もあり、地区長さんの事務所に行って面談をしていただくのもあります。大阪にはないプロセスなので注意です。
審査結果発表
入会審査完了後、電話かFAXで結果の通知があります。結果通知で無事に承認されるころには大阪府から免許ハガキが届くと思いますので、届きましたら支部へ連絡をお願いします。
入会審査
大阪の場合と同様、入会審査会が開催されます。それぞれの支部に、代表者と専任の取引士で訪問して
いただいて面談が実施されます。
入会金の振込
大阪府の場合はこのタイミングで保証協会の入会金を振り込んでいただくことになります。協会に振り込んだ後は、協会が供託の手続きをしてくれますので、供託完了の連絡をお待ちください。
新規免許取得者研修
神戸市にある協会の県の本部に、入会研修に行っていただきます。代表取締役・専任の取引士に出席していただくことになります。大体午後から開始して3時間ちょっとの講習になります。
免許証の受取
供託完了の連絡を受けましたら、免許証の受取に咲洲庁舎へ行っていただきます。この時、専任の取引士さんの就任届(様式第7の用紙)の提出もしていただくことになります。
免許証受領
宅建協会から連絡が入りましたら、宅建協会の所属支部に免許証の受取に行っていただきます。このとき、入会申請した際の副本もこの時にいただけますので更新の時にそなえて大切に保管しておいてください。

大体のフローはこんな感じです。補足で言うと、大阪府の場合は免許証の受取の後にWEBで研修の代わりの講習を受けていただくことになります。兵庫県の方が面談回数やあちこち行っていただくことが多いので少し手間は多いですが、概ね、やることは変わらないです。

まとめ

今回は宅建業の都道府県知事免許の、大阪府と兵庫県の申請手順の違いを解説させていただきました。実際に免許証を受け取った後にも、色々対応していただくことがあるのですが、それはまた別の記事で解説させていただきたいと考えています。

宅建業許可は慣れてしまえばそれほど難しい許可ではありませんが、手引きの読み込みは結構時間がかかり、作成する書類も多いので、例えば今、不動産屋に勤めながら手引きを読んで免許申請をするとかはかなり大変だと思います。そういった方は是非ご相談いただいて、サポートさせていただけますと幸いです。

投稿者プロフィール

出野 勝巳
出野 勝巳
1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。