【宅建業許可】会社設立から営業開始までのプロセス・費用・期間など

不動産屋を開業したい!と動き始めてから、営業開始までどのようなスケジュールになるか? 費用はいくらくらいかかるのか? 作業のプロセスも含めて解説をして行きます。

※今回は分かりやすいように前提条件を以下として記載して行きます

  • 法人設立もこれからで、何もかもこれからの状態で、手続きは行政書士に依頼
  • 融資は受けないで自己資金での開業とします(事業融資が必要な方は個別にご相談ください)
  • 宅建協会はハトのマークの団体に加入。大阪府知事免許と宅建協会の加入を終えて、営業開始までの費用とします

全体のフローと大まかなスケジュール

今回は会社設立をして宅建業許可を取るプロセスを解説します。ざっくりしたタイムテーブルは下記の通りです。

1.初回面談・・・所要日数1日
お客様とスケジュールを合わせて、最初に宅建業許可の取得が可能かのヒアリングを行います。取得可能な可能性が高いと判断すれば、会社の名前はどうするのか? 資本金はいくらにするのか? どこに出店するのか?などの詳細を詰めて行きます。
2.定款案の作成&定款認証・・・所要日数7~10日
面談の際にお聞きした内容を元に定款案を作成します。ここで会社名や会社の基本的なルール・役員・資本金など重要な項目を決定して、公証役場で認証手続きをいたします。所要日数は大体1週間~10日程度です。
3.事務所の契約・・・所要日数1~2週間
上記1の面談が終わったタイミングで探し始めておいても大丈夫です。事務所の契約は入居審査~鍵渡しまで、早ければ1週間で対応可能な物件もあります。現在、不動産屋でお勤めの方は、ご自身で契約いただくのも良いかも知れません。相談できる不動産屋がない場合には弊所にご相談ください。
※定款認証の完了を待つ必要は特にありませんので、先に契約しておいても同時並行で進めても大丈夫ですが、会社の所在地となるため、事務所を決めるまで次の登記に進めなくなります。
4.法人登記・・・所要日数 約2週間
定款認証と事務所の契約が終わりましたら、いよいよ会社の登記をします。特にご指定がなければ弊所提携の司法書士さんが対応いたしますが、お客様にお知り合いの先生がおられましたらお客様側でご依頼いただいても結構です。登記申請に必要な本人確認を兼ねた面談と、登記書類の捺印対応完了後、司法書士さんに登記申請に行っていただきます。申請が終わった日から登記が完了するまで約1週間~10日程度で法人登記簿が上がってきます。
5.宅建免許申請・・・所要日数 約1~2週間
登記完了を待っている間、同時に事務所の設営をしていただきます。ネット(電話)回線の工事は時間がかかるので、それ以外のデスク・チェア・応接スペースなど、営業に向けて最低限の設備を備えておく必要がありますので、事前にご準備をお願いします。(申請時に事務所の写真を添付して提出する必要があります) 登記が完了したタイミングで必要書類が揃いますので、準備が出来ましたら大阪府に申請にいきます。

※参考・・・宅建業許可申請に必要な手続きは大阪府HPに記載がございます。
6.免許取得&営業開始・・・所要日数 約6週間
免許申請に行った後、事務所調査や宅建協会の面談など、免許が下りるのを待っている間にも色々対応いただくことはありますが、基本的には宅建協会から「次はこうしてください」と案内される指示に従って動いて行けば特に問題ありません。(この時点で在職中の方はスケジュール調整に十分ご注意ください) 大阪府の審査は標準処理期間が約5週間で、審査完了後にハガキが届きますので、ハガキが届いたら宅建協会に必要費用を振込みをお願いします。お振込みの後、宅建協会が供託金を振り込んだタイミングで「免許を取りに行ってください」と案内がありますので、免許を取りに行った後、営業開始となります。

参考:免許申請後のフローは以前書いた記事が分かりやすいです。

※最初の面談から営業開始まで大体1ヶ月半~2か月くらいが目安になります。

費用のご案内

宅建業免許取得にかかる費用面をまとめて行きます。ここでは事務所の契約費用と事務所の設営費用については、人によってかなり前後してしまうため、除外して考えます。

定款認証・会社設立登記・宅建免許申請・保証協会加入の費用を下記の表にまとめます。

項目金額
定款認証行政書士報酬80,000円
公証役場手数料(資本金300万円の場合)52,000円
司法書士報酬(登記)約80,000円
登録免許税(登記)150,000円
宅建業免許行政書士報酬
※保証協会加入申請含む
100,000円
申請手数料33,000円
宅建協会入会金600,000円
保証協会入会金200,000円
弁済業務保証金600,000円
年会費(加入月により異なる)60,000円
合計1,955,000円

実際は年会費が加入月によって変わるのと、行政書士報酬は定款認証も宅建免許申請の両方をご依頼の場合には若干の値引きが可能ですが、大体の予算はこのくらいの金額がかかって参ります。かなりの費用が掛かってきますので、事前の資金計画も大切になって参ります。公庫などから借入れを検討されることも視野に、ご相談いただけますのでお問合せいただけますと幸いです。

※弊所も宅建業免許を取得しておりますので、かなり柔軟な対応をさせていただけると思います。

まとめ

今回は宅建業免許を取得する際のタイムスケジュールや費用面などをご案内させていただきました。特に現在、不動産屋にお勤めされながら開業準備をされている方にとっては、ご自分のお仕事と並行して開業準備をするのはかなり大変な作業です。私自身も同じ経験をしているからこそ、どういった所で助けが必要になるか?も良く理解していますので、お手伝いをさせていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

投稿者プロフィール

出野 勝巳
出野 勝巳
1980年生まれ。若い頃はしがないバンドマンでヴォーカルをしていた。
不動産会社に勤務する傍ら、お酒を止めたことを機に39歳から勉強を始め、宅建を皮切りに管理業務主任者、簿記2級、行政書士と資格取得を通じてステップアップし、開業に至るという変わった経歴を持つ。